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Black Rideers ステッチやボタン、リベットも全体的にブラックで仕上げた漆黒モデル。 Lee伝統のLEFT HAND TWILL(左綾デニムを)使用した、Tight SkinnyとTight Narrowふたつのスキニーシルエット。 クリア樹脂をコーティングし、インディゴに深みを持たせた鏡面加工を施し、バックポケットのタブはメタルのLee復刻タブを使用。 よりタフなイメージにモデルチェンジしています

 ジーンズの製造工程では、様々な薬品や大量の水を使用します。環境負荷を考えれば、我々ジーンズメーカーこそ、環境配慮への取り組みを積極的に行わなければならないと考えました。洗いや染め加工時の薬品や水の削減と同時に、オーガニック・コットンを積極的に使用していこうと決め、世界の様々なオーガニック・コットンのサンプルを集めデニムに最適な綿の選択を始めました。 そんな中、綿の繊維の長さや膨らみ感、ハリ、コシの面でデニムに最適な綿に出会います。それがアフリカはウガンダ共和国産のオーガニック・コットンだったのです

我々はデニムの試作を行うと同時にウガンダという国を知りたいと思い、様々な情報を収集する中で、ウガンダ現地でも活動するNGOであるハンガー・フリー・ワールドと出会い、ウガンダの歴史や現地の様々な問題を知ることとなります。

ジーンズというカジュアルな物を通じてアフリカが抱える問題を伝え、そして何らかの形で支援出来ないかと考え、「Born in UGANDA Organic Cotton Project」をスタートさせたのです。


  • 2009井戸建設
    Born in Ugandaのジーンズの売上の一部は、ウガンダで活動する日本のNGO、ハンガー・フリー・ワールド(HFW)に寄付され、井戸の建設に役立てられています。
    寄贈された井戸は地域の人々が守ります
    2009年は、ウガンダ南部ワキソ県の農村地域ブダーリ村とチココ村に1基ずつ井戸が建設されました。

    ブダーリ村の人口は約2,500人。この村には水道はもちろん安全な飲み水が得られる井戸がなく、子どもの30%、おとなの18%がひんぱんに赤痢や腸チフスなどの病気にかかり、汚い水による皮膚病に悩まされる子どもたちもいました。キルミラ・ジョセフ村長は「村に井戸を寄贈してくださったリー・ジャパンに感謝します。今までは汚いわき水を使っていたため、特に子どもたちの間で様々な病気が広がっていました。これからはもうそんなことはなくなるでしょう」と感謝の言葉を述べていました。しかし、人口に対して井戸の数がまだ足りないため「もっと井戸を作ってほしい」との声もありました。


    井戸ができる前の水源(チココ村)

    チココ村の人口は約2,000人で、ブダーリ村同様、大半が貧しい農民です。村には以前ハンガー・フリー・ワールドが作った井戸が1基あるだけで、人口に対して十分でなく、多くの人が汚いわき水を使っていたため、12歳以下の子どもの55%、おとなの23.6%がひんぱんに汚い水が原因の病気にかかっていました。ブダーリ村と同様、子どもたちの皮膚病の問題もありました。井戸がもう1基できたことにより、このような病気にかかる人が減ってきています。


    井戸を使うために並ぶ子どもたち

    井戸の使用にあたっては、住民が話し合って使用規則を決めるとともに、住民の中から井戸管理委員を選び、適切に使い、長く維持できるよう管理しています。どちらの村でも、井戸1基ごとに4人の管理委員が選ばれました。管理委員は、井戸の周辺を掃除して清潔に保ち、利用する人々が使用規則を守っているか監督し、違反する人がいれば注意します。各家庭から、毎月の使用料金を集めて積み立て、修理に備えています。 水くみに来るのは女性と子どもがほとんどですが、今まで井戸の管理委員に選ばれたのはおとなだけでした。チココ村では、よく井戸を使っている子どもも委員に入った方がいいという意見が住民から出されました。そこで、子どもを代表して15歳のンサンバ・デービッド君が委員に選ばれました。


    チココ村の井戸管理委員。
    右から2番目がデービッド君。

    デービッド君の主な役割は、子どもたちが井戸の周りで遊んで、井戸を汚したりポンプを壊してしまったりしないよう見守り、規則を守らない子どもがいれば注意することです。「他の子どもたちが、井戸の使い方を指導する役割にぼくが適任と投票してくれて、とってもうれしいです」と語っていました。


    ハンガー・フリー・ワールド(HFW)について
    HFWは世界から慢性的な飢餓を終わらせるために活動している国際協力NGOです。日本に本部を置き、アジアではバングラデシュ、アフリカではウガンダ、ベナン、ブルキナファソに支部を置いて活動しています。飢餓に直面した人々が自らの手で栄養のある食物を手に入れられるようになるために、生活全般の向上を目指しています。また、HFWが撤退した後も、地域の方たちが自立して飢餓のない状態を維持していける力を身につけることを目指しています。日本のみなさまから寄贈していただいた井戸は、地域住民の間から選ばれた井戸管理委員が、衛生や管理技術に関する研修を受けて管理しています。(HFWウガンダ支部担当職員 吉田千代子)
  • 2010井戸建設
    Born in Ugandaのジーンズの売上の一部は、ウガンダで活動する日本のNGO、ハンガー・フリー・ワールド(HFW)に寄付され、井戸の建設に役立てられています。
    2010年にはウガンダ南部のワキソ県にあるルウェンウェデ村とガンバ村の2ヵ所に井戸が建設されました。
    井戸ができる前の水源

    ルウェンウェデ村では、井戸ができる前は、住民約2,500人の3分の1の人たちが汚いわき水を水源として使っていました。わき水は、放し飼いのヤギや牛が中に入り込んで水を飲み、糞をしたりすることもありました。洗濯に来た人が捨てた排水が流れ込んでますます水を汚染していました。水質は、特に乾季にはひどく悪化し、濁って底が見えず、ドブのような悪臭がする状態でした。そのため赤痢やコレラ、ビルハルツ性吸血虫症など汚い水が原因の病気が多発していました。

    また、わき水をくみ上げる時には、丸太の上からプラスチックの容器を水に沈めて不安定な姿勢で汲んでいたので、水の中に落ちる危険もありました。内陸国のウガンダでは泳げない人が多く、実際に落ちた子どもが水死することも珍しくありません。


    村にできた井戸

    新しく建設した井戸は、政府機関の水質検査を受けた結果、衛生的に問題ないことがわかりました。井戸ができたことで安全な水が確保できるようになり、感染症を防ぎ、子どもたちも安心して水汲みができるようになりました。


    井戸を使っている村の女性

    井戸を実際に利用している50代の女性は「今までは安全な水を得ようとすると遠くの井戸まで水を汲みにいかなければなりませんでした。汚いわき水を汲みにいくのも時間がかかっていましたが、アクセスしやすい場所に井戸ができたので、水汲みにかかる時間がずいぶん減りました。安全な水が飲めるようになったので、病気も減りました」とうれしそうに話してくれました。
    ルウェンウェデ村には、2010年にCSRレビューのためにウガンダを訪問したチームメンバーが訪問し、実際に井戸やわき水を見たり、井戸を使っている地域の人たちに話を聞きました。


    みんなで記念撮影

    デービッド君の主な役割は、子どもたちが井戸の周りで遊んで、井戸を汚したりポンプを壊してしまったりしないよう見守り、規則を守らない子どもがいれば注意することです。「他の子どもたちが、井戸の使い方を指導する役割にぼくが適任と投票してくれて、とってもうれしいです」と語っていました。


    ハンガー・フリー・ワールド(HFW)について
    HFWは世界から慢性的な飢餓を終わらせるために活動している国際協力NGOです。日本に本部を置き、アジアではバングラデシュ、アフリカではウガンダ、ベナン、ブルキナファソに支部を置いて活動しています。飢餓に直面した人々が自らの手で栄養のある食物を手に入れられるようになるために、生活全般の向上を目指しています。また、HFWが撤退した後も、地域の方たちが自立して飢餓のない状態を維持していける力を身につけることを目指しています。日本のみなさまから寄贈していただいた井戸は、地域住民の間から選ばれた井戸管理委員が、衛生や管理技術に関する研修を受けて管理しています。(HFWウガンダ支部担当職員 吉田千代子)
2010生産地CSRレビュー
ジーンズの源流に遡った初の現地レビュー

環境にやさしいオーガニック・コットンを使い、売上の一部が寄付として井戸建設に活用されるUganda Organic Cotton Project。薬品や水といった環境問題には取り組んでいましたが、コットンの生産現場が抱える課題はそれだけではありません。世界各地のコットン生産地では、子どもが学校に行けずに危険な環境で働く児童労働など、原料生産過程で働く人たちの問題も大きな課題であることを知り、このプロジェクトで使われる綿の生産現場がどのような状況にあるのかを確認するため、現地レビューを行うことになりました。

現地レビューの目的は、オーガニック・コットンの生産過程における労働・人権に関わる現状を把握し、リスクを特定することで、原料の生産過程で起こりうる労働や人権の問題を予防していくことです。米国で開発された、労働・人権に関する国際規格であるSA8000を基にレビューを行いました(注1)。

レビューの実施は、このプロジェクトのジーンズ生産に関わる関係者と、寄付を受けて井戸づくりを行うNGO、ハンガー・フリー・ワールドの担当者がチームを結成して行いました。第三者の立場から、児童労働問題に取り組むNGO、ACEも加わり、レビューの設計やインタビューの進行、結果のまとめなどを担当しました。


井戸ができる前の水源(チココ村)

 2010年12月、現地レビューのチーム7名が、ウガンダ北部グル県のオーガニック・コットンの畑と綿のジニング(注2)を行う工場を訪ねました。首都カンパラから車で6時間ほどのところにあるグル県は、かつては内戦の中心地。数年前までは戦闘が続いていたといいますが、今では落ち着きを取り戻し、内戦があったとは思えないほど、のどかな風景が広がっていました。

この地域でのオーガニックの綿栽培は、内戦が収束した2009年ごろからで、まだ始まったばかりです。農家の人びとが、ひとつひとつ手作業で綿を育てています。わたしたちが綿畑を訪ねた時にも、農家のお父さんが手で綿を摘んでいました。


綿を丁寧に手摘みで収穫

綿農家のジョナロさん(55歳)に話を聞くと、農作業は主に夫婦で行い、子ども2人は毎日学校に通っているとのこと。子どもたちが畑を手伝うのは週末や長期の休みの時で、日常的に子どもを働かせることはないと話してくれました。

作業はサンダル履き、素手で行われ、長靴などは着用していませんでした。一見特に問題がなさそうに見えますが、話を聞くと、畑で毒へびがでることもあるということ。けがや衛生面などのリスク管理に改善の余地があることがわかりました。


集まってくれた農民のみなさん

 農民のみなさんとのグループインタビューも行いました。長年難民キャンプで暮らし、2009年ごろからようやく地元に戻り始めたというみなさんは、オーガニックの綿栽培を始めたばかりで、作付面積は1〜3エーカーの小さな規模がほとんど。綿の栽培は現金収入に直接つながる唯一の手段ということで、生活の支えになっていることがわかりました。一方で、生産性はまだ低く、技術を改善し、生産性や品質をあげることで、地域経済の活性化にもっと貢献できそうなこともわかりました。


1900年代初頭の英国製ジンニングマシーン

 コットンの畑を訪ねた後には、グル市にて、収穫された綿から種を取る作業を行うジニング工場を訪ねました。内戦中の15年間、操業を中止していたこの工場は2009年に再開し、今では約200人の従業員が働いています。午前7時〜午後6時、午後7時〜午前6時の2シフト制で稼働していました。工場の労働環境のレビューを行ったところ、安全衛生の面でいくつか課題が見つかりました。


マスクを着けないで作業する人も

例えば、綿の倉庫での作業には、綿埃による肺障害が伴うことが懸念されますが、マスクを着用せずに作業をしている女性たちも目立ちました。トイレや従業員の食事を作る厨房が不衛生であること、消火器が無造作に置かれていることなども、すぐに改善が望まれる点であることがわかりました。工場内を観察したところ、年少者の労働者は見受けられませんでしたが、工場管理者に従業員の年齢確認の方法について問い合わせたところ、口頭や外見での確認のみで書類確認は行っていないこともわかりました。


このプロジェクトを通じてコットンの取引を続けていくことで、ウガンダのコットン生産者の経済的自立を支援していくことができます。

今回の訪問を通じて、原料である綿をつくる生産者からメーカーまで、生産過程に関わる人々の顔が見える関係づくりの第一歩を踏み出すことができました。関係者が協力して、今後もジーンズの生産過程における環境負荷の軽減と労働・人権の取り組みを進めていきたいと思います。

認定NPO法人ACE(エース)について
ACEは、世界中のすべての子どもが権利を守られ、希望を持って安心して暮らせる社会を実現するため、市民と共に行動し、児童労働の撤廃と予防に取り組む国際協力NGOです。インド、ガーナで、子どもを危険な労働から守り、教育を支援する国際協力活動を行うほか、日本では、企業のCSR活動を通じて児童労働の予防を働きかける活動や、フェアトレードや寄付つき商品の販売によるソーシャル・ビジネス活動、啓発のためのワークショップや講演などを行っています。企業のサプライチェーンにおける児童労働の解決と予防を目的として、2010年から企業と協力してCSRレビューを実施しています。
ものづくりへのこだわり
ウガンダの内戦に苦しんだ難民の自立を助けるオーガニック・コットン

Born in Ugandaシリーズのジーンズに使われている綿は、100%ウガンダのオーガニック・コットンです。栽培地域はウガンダ北部のグル県。この地域はかつて内戦が長く続いて、多くの住民が国内避難民として難民キャンプでの生活を余儀なくされました。内戦が終わり、地域での生活を再開した住民にとって、生活を支える手段となっているのが、オーガニック・コットンの栽培。化学薬品を使わない有機栽培を通じて、地域の環境と働く人の健康を守りながら、地域に暮らす人々の自立を応援しています。


ウガンダから輸入されたオーガニック・コットンは、大阪で糸に生まれ変わります。コシがあって適度にハリがあるのがこの綿の特徴。強度も高いのでデニムに適しています。その特徴を活かした糸を開発するのは、日本のオーガニック・コットンの父といわれる大正紡績の近藤健一さん。世界各地の綿畑を歩いて直接綿の質を確かめ、オリジナルの糸に仕上げていきます。紡績は日本の高度経済成長を支えてきた一大産業。紡績のジャパンテクノロジーが、ウガンダのオーガニック・コットンの特徴を引き出し、ジーンズにあった糸を生み出しているのです。


ジーンズの生地を織っているのは、岡山県の老舗メーカー日本綿布。岡山県は、かつて日本のジーンズ生地の一大産地でしたが、今では中国をはじめとする海外の工場に生産現場が大きく移っています。そんな中でも、岡山に伝わる伝統技術を活かしながら、Leeのジーンズの風合いをもつ生地の開発に日々力を注いでいるのが、職人花野さんです。中国など海外の機械にはできない、日本の"わびさび"のテイストを表現できるのは、やはり日本の技術だけ。若者のシンボルといわれるジーンズが、実は日本の職人技術を守る役割も果たしているのです。