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ARCHIVE MEETS INNOVATION LEE130周年目の進化と深化 by HailMary

1889年、実業家であったヘンリー・デヴィッド・リーが、開拓によって発展途上にあったカンザス州で食料品や生活雑貨を扱う卸売業を始めた、運命的な出来事から今年で130年が経過した。ワークウェアブランドへの転身を始め、常に時代を先取りして新しい市場、新しい世界を開拓してきたLeeの歴史は常に進化の連続だったと言えよう。アメリカ合衆国という神話を築いたカウボーイや蒸気機関車のエンジニア、そしてあまたのブルーカラーたちに寄り添った機能的なワークウェアの開発はもとより、彼らを象徴するジーンズをファッションの世界に浸透させ、世紀を跨いで服飾文化に影響を与えた功績は計り知れないほど大きい。その進化と深化の源に触れる。

革新的なプロダクトを
数々生み出してきたリー

ヘンリー・デヴィッド・リーと、彼の経営学を叩き込まれた従業員たちは時代を先読みする天才だったと言わざるを得ない。左の年表を追っていくとすべてがスピーディーなのだ。自社でワークウェアの生産を始めた1911年から僅か3年でアメリカ軍の正規納入業者として認められたことは、そのポテンシャルの高さを物語っている。彼らは食料品や雑貨類の卸業を営んでいた時代から、製粉・製氷の分野で独自の商品を開発するなど、すでにその商才を発揮していた。自社工場を構えた本格的なワークウェア生産は、仕入れていた東部のメーカーが幾度となく納品遅延を起こしたことに耐えかねた上での行動だった。ワークブランドとしては後発ゆえ、既存のワークウェアが抱えていた諸問題――製品クオリティや当時の生地の欠点を解決し、卓越した機能や素材の説明やストーリー仕立ての広告で巧みに喧伝し、そして実際ヒットさせたのである。卸業で蓄積した経験や勘があったのだろう。リテールストアやその先のエンドユーザーが何を望み、何に困っているか。従業員たちは時に、労働の現場を直接訪ねてワーカーの声を拾い、そしてプロダクトにフィードバックすることもしばしばだった。ユニオンオールに始まり、91-Jや91-B、91-SB、101カウボーイ……。実戦で機能を果たすポケットや堅牢な生地・縫製、あるいは作業の妨げになる要因や洗濯によって起こる生地の問題の解決、そして潜在的な顧客となる大衆に、働く男たちがいかに逞しく精悍であるかを印象付けるデザイン性。それをいち早く具現化することができたことはリーの最大の強みだったと言えるだろう。

年表

そしてそのメソッドは戦後、ワークシーンだけに留まらず中流階級の若者や保守層の多い東海岸の学生へのアプローチにも発揮された。彼らにはその時点で近い将来、人々のライフスタイルにジーンズが必要不可欠となることが見えていたのだろう。戦争で自粛ムードだった物欲が復活し、デュードランチやDIY、子供たちの外遊び、学生たちのキャンパスライフ……。日常のいたるところにリーの活躍する場があった。また折しも当時は闇雲にしきたりを重んじる社会に対し、若者たちのカウンターカルチャーが芽吹いた時代。彼らがジーンズを反骨の旗印とした社会現象は、奇しくもリーの一般社会への認知度上昇を後押しした。かくしてリーは革新的なプロダクトをもってアメリカの様々な世界を開拓していった。そして今、創業130周年を迎えた彼らの歴史的モデルはアーカイブコレクションとして忠実に再現され、ヴィンテージ特有の経年変化とともに当時の英知を結集した作り込みの凄さを深く知ることができる。そしてもうひとつ。当時の技術や素材では不可能だった傑作モデルの、その後の進化を130周年 アニバーサリーモデルとして発表する。130年のブランドの進化と深化が相まみえる貴重な瞬間に我々は立ち会うことになるのだ。

STORM RIDER

20世紀のタフな男を象徴するアイコン

“カウボーイ”は現在でも営まれているれっきとした職業ではあるのだが、彼らが身に着ける伝統的な道具や言語、服装、そして生活様式は西部開拓時代、つまりアメリカ人のルーツを思い起こさせる特別なヒロイズムがある。「101‐LJ ストームライダー」。そのネーミングには、逞しく孤高のカウボーイを連想させる叙情的な響きがあるが、それは優れた機能を物語るのに最も適した称号と言えるだろう。ストームライダーは1933年に発表された前身モデル「ストームカウボーイ」から保温性に訴求する機能を受け継いだもので、1946年にライニングを持たないジャケット「101‐J」やボトムスの「101カウボーイ」とともにスタイリッシュなデザインに刷新され「ライダース」の称号が与えられたリーを代表するシリーズの一員となる。ストームカウボーイから引き継がれた、アラスカンライニングと呼ばれるブランケットライナーとコーデュロイカラーは優れた保温性を持ち、カウボーイがサドルに跨った状態でフィットする裾丈や腕を前に伸ばした際に手首が露出しない長さの袖丈など、運動性に貢献するパターンも熟考が重ねられた。また左右の胸ポケットは手の出し入れがスムーズにできるよう斜めに配置されるなど、まさにカウボーイのベンチワークに理想的な

ワークジャケットのデザインを具現化したものだった。さらにリー特有のレフトハンド(左綾)デニムの色とベージュの襟、ストライプのブランケットとが絶妙なカラーコントラストを生み、そのいでたちは強い向かい風が吹く吹雪の荒れ地を寡黙に進み続けるカウボーイの――そう、1960年代に採用されたタグに描かれた図案のような――姿を想起させるだけの説得力がある。以降、細かな変遷はあったものの基本デザインを変えることなくライニング付きデニムジャケットの名機として、現在も圧倒的な存在感を放っている。つまりそれだけ完成されたデザインであることを雄弁に語っているのだ。創業130周年に特別なストームライダーが誕生した。アーカイヴコレクションと同じく、その姿もまた往年の101‐LJを踏襲している。しかしながら本モデルに使われる素材は、現代テクノロジーの粋を集めた透湿・耐水・防風性、そしてさらなる保温性を付加した、まさに道具としての正常進化を遂げている。20世紀のタフな男を象徴するアイコンであり続けてきたストームライダー。それは時代が変わろうとも揺るぎないのである。

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130th Anniv. 130th Anniv.

50’s 101-LJ Storm Rider Jacket

“COWBOY”の一連のラインナップとして既に存在していた、ブランケットライニング仕様のデニムジャケットは“RIDERS”としてデザインを刷新。そして生まれ変わったのが傑作モデルのストームライダーだ。ストームライダーの図柄を刺繍したタグが採用される以前の、’50年代に生産されていた通称“黒タグ”モデルを復刻した。2万8000円(リジッド)、3万1000円(M.ユーズド)+税

DETAIL

外見からは判らないがフロントは復刻ライダースボタンと止水テープによるダブルフライ仕様で、正面からの水の浸入を防いでくれる

130th ANNIVERSARY STORM RIDER

101-LJが持つ雰囲気をスポイルせずにハイテク技術を駆使し、より実用的な1着に。素材は透湿・耐水・防水性に優れたメンブレンをデニムとフィルムの間に挟み込んだ三層構造のオリジナル素材“STORM RIDER TEX”を採用し、フロントはライダースの復刻ボタンと止水ジッパーのダブルフライ仕様。ステッチは防水テープ処理され、別売りのインナーで防水・防寒性を完備した。3万円+税

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130th ANNIVERSARY
INNER INSULATION JACKET

内側にストームライダーを象徴するブランケットのストライプがプリントされた、別売りのインサレーションジャケット。レイヤードを前提としたショート丈ではあるがフロントの合わせにジッパーを、また身頃にはポケットを装備しているため、単体でも使える。アニバーサリーモデルのストームライダーは遮風性に富んでいるため、そのレイヤードで保温性が非常に高くなる。1万8000円+税

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DETAIL 1/4

外見からは判らないがフロントは復刻ライダースボタンと止水テープによるダブルフライ仕様で、正面からの水の浸入を防いでくれる

DETAIL 2/4

デタッチャブル式のインサレーションジャケットは、ストームライダー本体裏側に装備されたボタンで固定することができる

DETAIL 3/4

コーデュロイカラーの保温性を高めるため、襟の裏側にはチンストラップを配置。立てた襟を固定することで首元の遮風性を高める

DETAIL 4/4

身頃には冷えた手を暖めるマフポケットを装備する。完成度の高いオリジナルデザインを崩さず、目立たない位置に設置されている

透湿・耐水・防水性に優れた三層構造のオリジナル素材“STORM RIDER TEX”に加え、縫製箇所は全て防水テープ処理が施される

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130th Anniv.

101-Z

ラギッドながら流麗、本格派のジーンズ

 20世紀のジーンズ史に欠かすことのできないピース。それが「101-Zライダース」だ。1924年発表の前身となる“カウボーイ”ラインから101の品番は存在していたが、当時はあくまでワークパンツの範疇にあった。それが後にファッションアイコンへ飛躍する分岐点となったのが戦後すぐの1946年。より近代的かつ、より洗練されたカウボーイ向けのライン=“ライダース”として刷新されたことが引き金となった。馬のサドルを傷つけないカンヌキ状のスレッドリヴェット(カウボーイより継続)や、シンチバックの廃止や高めの位置に配置したバックポケット、そのポケットに施した“レイジーS”ステッチが醸す逞しく色気のある

後姿。そして20年代からリーが積極的に採用していたジッパーをフロントフライに装備したことは、既存のボタンフライを一瞬で過去のものへと変えてしまった。こうした機能的かつ現代的なディテールがサンフォライズド(防縮)加工を施したレフトハンド(左綾)デニムに付加され、贅肉を削ぎ落した端正なストレートシルエットに仕上げられているのである。ラギッドでありながら流麗。着用者をヒロイックに見せる101-Zにジミー・ディーンやマックィーンが惚れ込んだのも頷ける。

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130th Anniv. 130th Anniv.

1954 model RIDERS 101-Z

フロンティアスピリッツを体現するカウボーイに向けた、最高傑作にしてジーンズをファッション界へ送り出した歴史的品番、101-Zの'54年モデルを復刻。同時代のセンター黒タグやグリッパーのピンロックジッパーフライ、シャープなラインのバックポケット、そして紙製のフラッシャーまで、ヴィンテージを徹底検証して忠実に再現した。1万9000円+税(リジッド)BUY、2万2000円+税(M.ユーズド)

130th ANNIVERSARY 101-Z

一見するとアーカイヴの101-Zと見分けがつかないが、透湿・耐水・防水性に優れたメンブレンをデニムとフィルムの間に挟み込んだ三層構造のオリジナル素材“STORM RIDER TEX”を使用する。101-Zを象徴するフロントジッパーは止水ジッパーに大型のフラップを内蔵。さらに各所ステッチには防水テープ処理が施され、ジャケットとともに鉄壁の防水性を誇っている。2万2000円+税

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DETAIL 1/4

透湿・耐水・防水性に優れたメンブレンをデニムとフィルムの間に挟み込んだ三層構造の“STORM RIDER TEX”に加え、縫製箇所には止水テープで針穴からの浸水を防ぐ

DETAIL 2/4

フロントフライの内側には大判の“STORM RIDER TEX”を折り重なるように配置。止水ジッパーとの働きで万全の防水対策とした

DETAIL 3/4

歴代のLee ライダースに倣い、先端を潰した刻印入りのリヴェットは、130周年モデルに合わせて新調したシルバーのものを採用

DETAIL 4/4

ハイテク技術を投入しながらLeeの伝統的な左綾デニムがベースとするため、質感やポケット形状、ディテールは往年の101-Zを踏襲

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130th Anniv.

WESTERNER

ワークウェアから脱却したウエスターナー

リーの歴史はエポックメイキングな出来事だらけ。中でもジーンズをワークウェアの領域から脱却させ、ファッションへと浸透させる戦略として1959年に「ウエスターナー」が誕生したことは“事件”だった。保守的な東部エリート階層の大人たちの間では、ブルージーンズは未だ労働者階級の仕事着、そして社会の秩序を乱す不良たちが好む服と捉えられ、ドレスコードから除外されていた。しかし若者たちのファッションへの渇望、神秘的なカウボーイや西部への憧れは強く、そこに現れたウエスターナーはまさに彼らへの福音となった。すでにリーを代表するマスターピースとして知られた101-Z、101-Jと同じデザインを

採用し、素材をコットンサテンに置き換えたウエスターナーのセットアップはインディゴブルーとは異なる組成で、上品な微光沢を放つことで精悍なシルエットを際立たせた。ブルーデニムではないことからドレスコードに接触せず、アイビーリーガーたちは新たな着こなしの自由を得たのだった。ワークからファッション、ラギッドからエスタブリッシュ。新しい世界を開拓した銘品ウエスターナーに、テーラードの要素を取り入れた記念モデルも次なる世界の扉も開けるだろう。

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130th Anniv. 130th Anniv.

60’s 100-J WESTERNER JACKET

保守的な東部に向け、Leeが戦略的に展開したウエスターナー。そのジャケットは101-Jを踏襲したデザインだが、素材には控え目な光沢をもつコットンサテンを採用する。パンツとのセットアップの他、デニムやチノパン、軍パンなども許容する。 2万7000円+税

60’s 100-Z WESTERNER JEAN

デザインはデニムの101-Zと同じだが、コットンサテンの上品な佇まいはドレスコードに厳しいエリート校の学生に絶賛され、アイビールックの寵児に。念願の東部進出を果たした同作の'60年代のモデルを旧式織機によるセルヴィッジサテンで復刻。1万7000円+税

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130th ANNIVERSARY WESTERNER JACKET

テーラードジャケットを意識したラペルやパイピングによって抑揚を抑えたステッチライン、ボタンが露出しない被せフラップなど、フォーマルのメソッドを取り入れた。もう1段上のスタイリッシュを目指した21世紀のウエスターナーと言える。1万6000円+税

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DETAIL 1/3

ジャケットの身頃はボタンフライではあるものの、トップボタン以外は被せのフラップ仕様となっているため、スッキリした見た目に

DETAIL 2/3

ジャケットのフロント腰部にカンヌキで補強したポケットを装備。縫製ラインに沿って垂直に口を設けたことで目立たない

DETAIL 3/3

両胸のポケットフラップもフォーマル仕様のパイピングワークでミニマルに。刻印入りボタンも被せフラップで表に出ない

130th ANNIVERSARY WESTERNER JEAN

ヴィンテージサテンの風合いを残しながら緯糸にポリエステル×コットンの混紡糸を入れて形態安定性を高め、カッチリ感をキープ。フォーマルウェアの仕立てに倣ったパイピングや被せボタンなど、スラックス然とした気品あるルックスが特徴だ。1万3000円+税

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DETAIL 1/2

Leeを象徴するヒップポケットの“レイジーS”ステッチは素材の切り替えで表現し、ステッチ痕のないミニマルなルックスを実現する

DETAIL 2/2

従来のウエスターナーのバックビューは、ステッチワークを極力表に出さないことで、スラックスのようなドレッシーな印象を与える

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130th Anniv.

PAINTER PANTS

ブルーワーカー寵愛のボトムスギア

リーがワークウェアの自社生産を始めた頃、すでに大小のブランドが存在しており、後発となった彼らはしかし持ち前の商才を活かして新しい素材の開発や最新技術の部材、プロダクトの特色を訴えかける広告などを駆使して急成長を遂げた。さらに他のブランドを吸収することで品番のバリエーションや販売網を拡大できたのも、商機を逃がさない彼らの卓越した戦略だった。ペインターパンツ「11-W」はその代表的なプロダクトで、元はノイシュタッダー・ブロス社のブランド「ボス・オブ・ザ・ロード」の品番だ。かなりの収納力がある大型の

ヒップポケットやハンマーループ、スケールポケットを装備した同作は、まさに“着る道具箱”であり、また11.5オンスながら13オンス相当の強度を誇るジェルトデニムを採用し、トリプルステッチのサイドシームやカンヌキ留めのポケットなど強度も充分。ペインターパンツと呼ばれてはいるものの、さまざまな職種のワーカーに長きにわたって寵愛された。最新素材でアップデートした130周年記念モデルは堅牢で機能的、というリーのワークウェアに対する信念を改めて感じることができる。

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50’s 11-W Painter Pants

ロング“L”のタックボタンや紙製のサイズラベル、'50年代の生産を意味する白タグ、そして強固なトリプルステッチなど、汎用性が高く様々なワークシーンで活躍した同年代の11Wがもつ魅力を余すとこなく再現した。素材はLeeが独自開発したジェルトデニムを当時と同じ工程で再生。11.5ozながら13oz相当の丈夫さが自慢だ。1万8000円+税(リジッド)BUY、2万1000円+税(M.ユーズド)

130th ANNIVERSARY PAINTER

中空構造による軽量性と強度を兼ね備えた東レ社の66ナイロン“プロミランエアー”を緯糸に使うことで、Leeが1925年に開発したジェルトデニムをアップデート。同素材を用いて往年のペインターパンツ11-Wを再構築した。ハイテク素材ではあるがデニムベースのため、穿き込んでいくとヴィンテーのような色落ちが楽しめる。1万3000円+税(ワンウォッシュ)、1万4000円(M.ユーズド)

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DETAIL 1/4

打ち込み密度を高めて強度を引き出した従来のジェルトデニムを進化させ、東レが開発した中空構造による軽量性と強度を兼ね備えた66ナイロンの進化版“プロミランエアー”を緯糸に使用。この素材は撥水性にも優れている

DETAIL 2/4

フロントの合わせは、アーカイヴでは刻印入りのドーナツボタンを用いたボタンフライだが、利便性を考えてジッパーにアップデート

DETAIL 3/4

ポケット口の裏側など、着用時にストレスの掛かる部分には強度に優れたヘリンボーンのテープを織り込んで補強している

DETAIL 4/4

内側に当て布を配したバックポケットは“着る道具箱”を想わせる大容量で、カンヌキ処理のスレッドリヴェットで補強される

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LOCO JACKET

1970年代まで生産されたロングセラー

大陸横断鉄道の完成を皮切りに、19~20世紀に掛けて北米大陸を縦横無尽に走る鉄道が次々と開通したことで、人や物資が盛んに国内を行き来するようになった。蒸気機関車の機関士はロコモーティヴキャップを被り首にはバンダナ、そしてビブオーヴァーオールズにロコジャケット、という正装で灼熱の炉に石炭をくべ、大陸を疾走する。その凛とした姿から、彼らをしてフロンティアスピリッツの継承者と形容する声も多く聞かれる。「91-J」はH.D. Companyのが初めてカンザス州サリナに自社工場を設立してから10年の節目である1921年に誕生し、H.D. Companyの中核を担うようになった。当時の鉄道員向けに

発表された同作は、その4年後に開発されたジェルトデニムでアップデートし、カヴァーオールの代表格に君臨する。同生地は11.5オンスながら織りの打ち込みを密にすることで13オンスに相当する耐久性を誇り、強靭であるとともに軽量で運動量の多い機関士に大変好評だった。鉄道の時代が斜陽を迎えた後も多くのワーカーに愛され、1970年代まで生産された。実に息の長いプロダクトであることを考えると、最新素材を使った91-Jがこうして発表されることに何の違和感もないだろう。

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130th Anniv. 130th Anniv.

50’s 91-J Loco Jacket

1921年の発表以来、全米を駆け巡る鉄道エンジニアに最も愛されたロコジャケット、Lot91J。Leeが開発した軽量かつ丈夫な“ジェルトデニム”や収納力に秀でた身頃のパッチポケット、必要に応じて留め分けられる3つボタン“セーフティーカフ”など、特徴的な生地やディテールをもつ同作の‘50年代初頭のモデルを余すとこなく再現した。2万9000円+税(リジッド)BUY、3万2000円+税(M.ユーズド)BUY

130th ANNIVERSARY LOCO JACKET

中空構造による軽量性と強度を兼備した東レ社の66ナイロン“プロミランエアー”を緯糸に用いたハイテク仕様のジェルトデニムを採用。ポケットを始め、負荷の掛かる箇所にはヘリンボーンの当て布を施し、さらにトートバッグなどに使われる高強度の“ボンド”糸で縫製。Leeを象徴する91-Jに現代技術を融合した最新のロコジャケットだ。1万8000円+税(リジッド)、1万9000円+税(M.ユーズド)

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DETAIL 1/5

フロントポケットは厚手のグローブも楽に収納できるよう、パターンを修正して広いマチをもたせた。そのために容量がアップしたポケットの口がダメージを受けないように裏側には補強テープが追加で縫い込まれている

DETAIL 2/5

ヴィンテージをイメージした、ナイロンジェルトデニムの織りタグ。その下には130周年記念を表したタグが添付されている

DETAIL 3/5

Leeのワークウェアを象徴するトリプルステッチは、本来トートバッグなどの厚手の生地を縫う、強度の高い“ボンド糸”を使用する

DETAIL 4/5

ナイロンジェルトデニムはより高い強度と軽量性を実現しているが、同時に撥水性にも秀でており、ちょっとした雨も弾いてくれる

DETAIL 5/5

容量の大きな身頃の4つのパッチポケットに更なる強度を得るため、ポケット口の裏側にヘリンボーンテープによる補強を加えた

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