WESTERN WEAR

Lee 101B 1944 model

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時は第二次世界大戦の真っただ中の1944年。リーはすでに陸軍へ2万5000着もの作業着を納入するビッグディールを獲得していたが、さらなる新戦略を打ち出す。長らく働く牧童たちを支え続けてきたCOWBOY ブランドをより幅広いイメージを想起させる“RIDERS”へと刷新したのである。それは過酷な戦時下においても“強いアメリカ”が健在であるという市井の人々へのメッセージであり、H.D.Leeカンパニーの未来予想図、すなわち全米のシェアを掌握する大きな野望への一歩だった。かくして生まれた101 RIDERS 1944モデル。当時主流だった右綾デニムに代わって採用された左綾デニムは馴染みやすくしなやかな特性を持ち、カウボーイの激しい動きを妨げず、またストレスのない穿きやすさはジーンズに不慣れな都会人にも好評を得た。またこのモデルからバックポケットにリーを象徴する“レイジーS”ステッチが、ポケット内部の補強布の縫製を兼ねて施されるのも大きな特徴だ。その一方で前作から引き継いだCOWBOYの刻印入りトップボタンやクロッチリヴェットなど、古式ゆかしいディテールも残される。新時代への期待と戦前への郷愁が同居する過渡期ならではの魅力。それを実感できるのが1944モデルだ。

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  • ディテール ボタンフライ

    ボタンフライ

    トップボタンはRIDERSに移行後も、前時代のCOWBOY刻印入りボタンが使用される。フライボタンはフラットな無刻印仕様。センター赤タグもCOWBOY同様に、ロゴの“e”の文字が傾斜した「斜めe」を採用する

  • ディテール セルビッジ

    セルビッジ

    13 3/4オンスの左綾デニムは穿き込んでいくと美しい縦落ちが生まれる。後に片耳へ変更されるが、この時代はまだ狭幅のシャトル織機でデニム生地が織られており、そのためにアウトシームは両ミミ仕様となっている

  • ディテール クロッチリヴェット

    クロッチリヴェット

    ボタンフライモデルを特徴づけるクロッチリヴェット。暴れる牛にブランディング(焼き印)を施すなど、激しい運動を余儀なくされるカウボーイには、ストレスの掛かる股部に穿たれた補強リヴェットは頼もしい存在だった