フロントプリーツ仕様の、ワークウェア然とした戦前の「カウボーイ」に始まり、フロントヨークや斜めに配置された胸ポケットで現代的なデザインに刷新された「ライダース」へと変遷した"101-J"。同JKTは1946年に初登場したと言われているが、1945年に生産された101-J RIDERSはアウトラインこそライダースのシルエットだが、ボタンは全て"Lee COWBOY"の刻印入りドーナツボタンを使用。1945年8月に終戦を迎え、軍需品を中心とした生産体制を終え、国内市場向けの製造環境が整うまでには時間を要した。同年代の5ポケットジーンズ"101 COWBOY"と同様に、カウボーイ時代の部材をそのまま使用。前身頃やポケット、カフスにドーナツボタンが配置されるだけで表情が変わる。過渡期にのみ存在した異形の美が味わえる。
レジスターマークが採用される以前の、通称赤タグと呼ばれる織りネーム。40年代のラベルは労働組合員が造っていることを示す"UNION MADE"と、防縮加工を施していることを意味する"SANFORIZED"のみ
フロントプリーツを配した身頃とシンチバック仕様。101-J COWBOY時代から使われていた刻印入りドーナツボタンを身頃、カフス、ポケットに配置
手を差し入れやすい様に、ヨークに合わせて斜めに取り付けられた胸ポケットや2本ラインのダーツはまさしくLee RIDERS。取り付けられたドーナツボタンがその既視感を打ち消している。過渡期だけに見られる特別な仕様だ