1945 COWBOY
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戦時中の物資統制下、H.D.Lee社も多分に漏れず軍供給品を優先した生産体制を強いられ、自社製品にも不本意な仕様変更や簡略化が余儀なくされた。終戦の翌年にあたる1945年、同社はまず、後に"RIDERS"へと変遷する定番シリーズ"COWBOY"の刷新に着手する。本作はそんな過渡期を象徴するアーカイブを忠実にリバイバルしたモデルにあたる。フロントトップボタンにはCOWBOY刻印入りのドーナツボタンが打ち込まれ、ウエストバンド内側中央には斜体"e"のロゴを用いた戦前からの織りネームを配した。生地も戦前・戦中時まで採用された右綾ではなく、左綾へと刷新する等、戦後の混沌さながら完全刷新前夜の新旧ディテールが混在している様が見てとれる。

SELVAGE

旧式の力織機による13.3/4ozの左綾デニム。この時代は狭幅の織機を使用しているためアウトシームは両耳仕様だ。左綾デニムは雨が降ったような線状の色落ちが特徴である

CROTCH RIVET

生地を重ねて縫い合わせるクロッチ部は運動量も多いため、補強のリヴェットが打たれる。リヴェットの先端はサドルや家具を傷つけないよう、ハンマーで潰されている

WOVEN LABEL

通称"センター赤タグ"と呼ばれる織りネーム。ロゴは"e"が傾斜した、戦前からの古いフォントを採用している

TOP BUTTON

戦前のCOWBOYシリーズから使用されてきた刻印入りドーナッツ型のトップボタン。RIDERSに移行した後もストックがあったためか、暫くの間も、このボタンが使用される

Lot.LM6321-89
¥28,600(Tax in)
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