WORK WEAR

Dungarees 191-Z 1950s model

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アメリカの二十世紀はワークウェアの時代といっても過言ではない。未開の土地を切り拓き、町々を鉄道や道路で繋いで物資や人の往来を可能にしたのはインディゴブルーを身に纏ったワーカーたちだった。H.D.Leeカンパニーは合衆国を創る彼らに丈夫で長持ちし、使い勝手の良いワークウェアを供給することに尽力した。その中で最も成功を収めた一つが"ダンガリー191-Z"だ。同モデルが傑作と評される所以は生地にある。ジェルトデニムと呼ばれるそれは1925年に彼らが開発した11.5ozデニム。特筆すべきは強撚糸で密に織ることで13ozと同等の強度をもつのが特徴だ。かつて、ワークウェアに強度をもたせるには生地そのものを分厚くしたり、生地を二重にする以外に手立てはなかったが、同生地は強度に優れているうえに柔らかく軽量。そのため足場の不安定な高所や運動量の多い労働環境で大いに重宝された。また右脚のルーラーポケットや工具などを放り込んでも破れにくいライニング付きのバックポケット、脱ぎ穿きの容易なジッパーフライなど、多種多様な職に就く労働者が享受できる機能も搭載する。およそ'70年代まで販売されていた長寿の品番。その初期となる1950年代のヴィンテージを再現する。

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  • ディテール バックヨーク周辺

    バックヨーク周辺

    腰帯に縫い付けられた、品番とサイズを記した紙パッチは使用に伴い徐々に剥離する。トリプルステッチのバックヨークを始め、白糸を用いたステッチがデザインを際立たせる

  • ディテール ジッパー

    ジッパー

    Leeは戦前からワークウェアにジッパーを積極的に採用してきた先駆的存在。'50年代の191-Zにも片ヅメのグリッパージッパーが装備され、使い勝手の良さに貢献する

  • ディテール タグ

    タグ

    1940~50年代のLeeを象徴する、黒地に赤・金を配色した織りラベル。ジェルトデニムを使用し、サンフォライズド(防縮)加工を施していることが明記されている