WESTERN WEAR
リーが全米市場で圧倒的なシェアを得ることができた理由の一つ。それは対象とするユーザーや職種に特化し、理に適った生地やデザインを打ち出したことにある。その一つがカウボーイにフォーカスしたデニムジャケット"101-J"だ。1931年にカウボーイブランドから誕生した同ジャケットは、'40年代に劇的な進化を遂げる。カウボーイの激しい運動に追随する滑らかな左綾デニムの採用。それまで装備されていたシンチバックや身頃のプリーツを排し、直線からV字型に変更された胸の切り返しに沿って両胸に斜めのポケット。腰部にボタン留めのサイドアジャスターを装備する洗練されたデザイン。それは日々、屋外で過酷な作業に従事するカウボーイの作業に適した機能であると同時に、彼らをヒロイックに演出することで、都会の人々に憧れを抱かせる視覚効果も担っていた。現代、デニムジャケットがファッション界で一つのアイコンとして崇められているのはその証左である。アーカイヴコレクションからリリースされるのは、レーヨン織りのラベルに初めてLot.No."101-J"が赤文字で記載された'50年代中期のモデル。カウボーイのための機能と洗練とが完璧に融合した、デニムジャケット史上、他に類を見ない1着を体感したい。
1950s Model
ラベル
デザインパテントを取得したことに伴ってLOT101-Jの表記が追加された'50年代の織りネーム。後継ネームはロットナンバーもブランド名と同様に金色へ変更されるため、この時代のものは通称"赤文字タグ"と呼ばれる
胸ポケット
右手を胸の前でクロスさせれば左ポケットに左手は右ポケットにアクセスしやすいよう、開口部を斜めにカット。馬の手綱から手を離さないカウボーイには嬉しい設計であり、男らしさも強調できるデザインを兼備している
ボタン
カウボーイ向けラインナップの名称を"COWBOY"改め、"Lee RIDERS"へと刷新したことで、ボタンも土臭い印象のドーナッツボタンからLee RIDERSの刻印を冠したスタイリッシュなデザインへと切り替えた