WESTERN WEAR
広大な北米大陸の西と東では(そして勿論北と南も)気候や土地が生む風土や歩んできた歴史の相違で、東西文化の間には大小の隔たりが存在する。時計を巻き戻して1962年ではどうだったろうか。カリフォルニアを中心とする西海岸では、サーフィンやクライミング、ホットロッドやモーターサイクルといったアウトドアアクティビティが、咲き誇った時代。転んでも泥だらけになっても構わず穿けるジーンズは必然的に、彼らのユニフォームとなっていた。しかし多くの歴代大統領を育んできたエスタブリッシュな都会の多い東部では、若者は西海岸文化に憧れを抱くも、社会は依然としてブルージーンズは労働着、不良が着るものという認識が根強かったがゆえに、それを日常的に穿くことは叶わなかった。そんな東部市場に風穴を開けたのが1959年に発表された"ウエスターナー"だった。名機「101」のデザインを踏襲しつつ、素材を微光沢のあるコットンサテンに置き換えた5ポケットパンツとジャケット。そのネーミングは東海岸の人々が憧れる西部開拓時代を彷彿とさせ、また厳格なドレスコードにパスする上品なルックスから、アイビーリーガーたちに熱狂的な支持を受けることとなった。その初期モデル、1962年のヴィンテージピースを再現した。
WESTERNER 100-Z 1962 model ¥28,600(taxin)
フラッシャー
ウエスターナーのセットアップ姿の男性イラストに加え、生地の特徴やシルエットの良さなどを列挙したフラッシャーも再現。バックポケットに合わせた形状がユニークだ
ジッパー
インディゴデニムの101-Zと同様、スライダー裏の片ヅメでロックするグリッパージッパーを装備。古典的なボタンフライに替わる都会的な仕様が、Leeの普及に貢献した
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ユニオンメイドの記載がある、最も古いレイアウトのラベルを再現する。'60年代の後期になるとⓇM.R.や100%コットン、メイド・インUSAなどの記載が加えられる