WORK WEAR
働く現場の問題に耳を傾け、丈夫な生地や縫製、便利なポケットなどの機能を一着のワークウェアに落とし込むアイデア。それを迅速に全米へ流通させる確固たる生産体制と、男たちの興味を引く斬新な広告手法......。Leeが打ち出したドラスティックな戦略が、瞬く間にトップシェアブランドの地位を確立したことは間違いない。その戦略の一つに挙げられるのが、傘下に収めたブランドの名を冠した製品だ。その代表作であるペインターパンツ「11W」の'50sモデルを復刻した。同品番は1852年創業のノイシュタッターブラザーズ社の看板ブランド"BOSS OF THE ROAD"が原点だが、同社は1932年にエロッサー・ハインマン社に買収、次いでLeeが1942年にエロッサー・ハインマン社を傘下に収めたことで引き継がれたもの。軽量だがコシのあるライトオンスデニムを用いたボタンフライの太めのシルエットに、補強スレーキを配した大容量のバックポケット、使い勝手の良いハンマーループやルーラーポケットを装備する。ブランド名こそ継承してはいるが、その造形はLeeならではの機能性に溢れ、ペインターパンツとしての理想を具現化した傑作として後世に名を残す。
ARCHIVES 50s 11W PAINTER PANTS
タグ&紙パッチ
Leeの"e"が正体となった'50年代の織りラベル。ウエストバンドには厚紙のラベルが縫い付けられて、洗濯とともに剥がれる仕組み。同ラベルには全米各地に拠点があることが記されている
フライフロント
フロントはボタンフライでLeeの"L"が長い「ロングL」のトップボタンに、フライボタンは刻印入りドーナツボタンを使用。白糸で縫製しているため、堅牢なステッチワークが際立つのも特徴
ハンマーループ
'40年代のモデルには装備されていなかったハンマーループが追加される。カンヌキ留めされた丈夫なループは、ハンマーの収納及び取り出しが楽に行えるため、高所での作業時に重宝した